公益法人とは
公益法人とは、営利を追求せず、公益性のある事業を行って、不特定多数の人に利益をもたらす活動をする法人です。社団法人と財団法人の2つの形態があり、それぞれ、公益社団法人、公益財団法人と呼ばれます。
公益社団法人
同じ目的を持つ人が集まった団体
たとえば......
日本医師会
各種学会 など
公益財団法人
投じられた財産を運用して活動する団体
たとえば.....
日本サッカー協会
日本相撲協会
公益法人になるには、まず一般社団法人か一般財団法人を設立することからスタートします。事業内容は、このページ下の公益目的事業のいずれかに当てはまらないといけません。設立後に、国の公益認定を受け、認定後に名称を変更します。
公益法人設立の流れ
一般社団法人を設立
一般財団法人を設立
定款を作成し認証されたら、設立の登記をします。
公益認定の申請
認定がおりる
認定されたら公益法人と名乗れます。
公益社団法人へ名称変更
公益財団法人へ名称変更
名称を変更するためには、変更の登記が必要です。
公益法人のメリット・デメリット
メリット
- 社会的に高い信用度があります。
- 事業所得に税金がかからず、法人税が免除されます。
- 公益目的事業のために支出した金額を寄附金とみなす「みなし寄付金制度」を利用できます。
デメリット
- 毎年、事業計画書や財務諸表を国に提出しなくてはなりません。
公益法人設立費用
定款認証費用 | ¥ 52,000 | 公証役場へ納付 | |
登録免許税1 | ¥ 60,000 | 法務局へ納付 | |
登録免許税2 | ¥ 30,000 | 法務局へ納付 | |
司法書士報酬 | ¥157,500 | ||
合 計 | ¥299,500 |
司法書士報酬には、下記が含まれます。
- ご相談料
- 定款作成と認証代理費用
- 登記申請書類作成と登記代理費用
- 公益認定申請書類作成(*)と申請代理費用
- 交通費
- 郵送費
- 法人印鑑カードの申請と取得
- 謄本1通
(*)財務書類の用意が必要な場合は、別途、会計士の費用がかかります。
国の定める公益目的事業
- 学術及び科学技術の振興を目的とする事業
- 文化及び芸術の振興を目的とする事業
- 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業
- 高齢者の福祉の増進を目的とする事業
- 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業
- 公衆衛生の向上を目的とする事業
- 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業
- 勤労者の福祉の向上を目的とする事業
- 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的 とする事業
- 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業
- 事故又は災害の防止を目的とする事業
- 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業
- 思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業
- 男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業
- 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業
- 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業
- 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業
- 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業
- 地域社会の健全な発展を目的とする事業
- 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
- 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業
- 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業
- 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの
国の定める公益認定基準
- 公益目的事業(23事業)を行うことを主たる目的とするものであること。
- 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。
- その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。
- その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。
- 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
- その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること。
- 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
- その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。
- その事業活動を行うに当たり、第十六条第二項に規定する遊休財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。
- 各理事について、当該理事及びその配偶者又は三親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。
- 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。
- 会計監査人を置いているものであること。ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。
- その理事、監事及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。
- 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。
- 社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当 に差別的な取扱いをする条件その
- 他の不当な条件を付していないものであること。
- 社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。
社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、
不当に 差別的 な取扱いをしないものであること。
社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供
した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを
行わないものであること。
- 理事会を置いているものであること。
15. 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の
内閣 府令で定める財産を保有していないものであること。
ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を
実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める
場合は、この限りでない。
16. 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産がある
ときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、
必要な事項を定款で定めているものであること。
17. 公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が
消滅する場合において、公益目的取得財産残額がある
ときは、 これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの
日又は当該合併の日から一箇月以内に類似の事業を目的と
する他の公益法人若しくは次に掲げる法人又は国若しくは
地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものである
こと。
18. 清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする
他の公益法人若しくは前号イからトまでに掲げる法人又は
国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めている
ものであること。